因島商工会議所 : 所報INNOSHIMA : 2017年2月号

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所報INNOSHIMA 2017.2月号

平成29年2月

会議所の動き

平成29年 年頭所感 因島商工会議所 会頭 村上祐司

尾道―今治間の広域観光拠点として整備を進める

kaitou.jpg 揺れ動く世界経済、特に中国経済の減速は、わが国経済への影響も大きく、本年も予断を許さない状況が予測されます。日銀の金融緩和策によるデフレ脱却も思うように好転せず、政府の景気対策であるアベノミクス並びに中小・零細企業への更なる支援対策等を強く期待します。また地方においては人口減少・高齢化社会の加速による疲弊は、更に深刻さを増しており、地方創生事業の着実な実施が急がれます。
 当因島地区としては、サイクリストの増加や昨年「村上海賊」が日本遺産に認定されたことを大きな契機として、来る2020年の東京オリンピックまでに尾道ー今治間の広域観光ルートの拠点としての整備を進めて参ります。
 因島のイメージキャラクター「はっさくん」は昨年、ゆるキャラグランプリ県内3連覇を果たし、知名度アップを経済効果につなげるため、村上海賊とコラボしたグッズ開発等も推進します。造船業は、現状やや安定していますが、先行きには不透明感があり、当地区の中核産業として最大限の支援をしてゆきます。将来的にはバランスの取れた産業を目指し安全・安心を見据えた地域づくりを目指してゆきます。

平成29年 年頭所感 日本商工会議所 会頭 三村明夫

三村氏.jpg 昨年11月の臨時会員総会におきまして、各地商工会議所の皆様のご推挙をいただき、日本商工会議所の会頭に再任され、日商会頭として4回目の新年を迎えました。各地商工会議所におかれましても新体制のもと、新たな年を迎えておられることと存じます。日商としましては、改めて、515商工会議所125万会員の皆様と総力を結集し、商工会議所の使命である、企業の繁栄、地域の再生、日本の成長の同時実現に向けて、全力で取り組んでまいります。
 昨年は、世界中で政治的に様々なサプライズが発生しました。加えて、地政学的混乱の悪化、余剰マネー等の動きによる株価や為替の大きな変動など、振幅の大きい不安定な一年でした。
 本年もおそらく国際政治の大きな動きが金融市場を揺さぶる場面などがあるかと思いますが、幸いにして我が国には、世界に誇る安定政権がありますので、いたずらに動揺することなく、じっくりと直面する課題に取り組むことができます。
 我が国の最大の課題は、足元で0.2%台まで下がってしまった潜在成長率を引き上げることです。「人手不足」と「生産性向上の停滞」が潜在成長率を押し下げるボトルネックとなっていますので、サプライサイド政策に力を入れて取り組むことが必要です。
 サプライサイド政策の特徴のひとつは、政策の打ち出しから成果がでるまで時間を要するということです。また、規制改革等の構造改革は、国全体の効率化・生産性向上を図る政策であり、一部の人には痛みを伴うことから、利害の調整という政治本来の役割が必要となることも特徴です。
 従いまして、政府も民間も、アベノミクスのサプライサイド政策には、時間と粘り強い取り組みが必要であることを自覚するべきです。
 こうした中、商工会議所として重点的に取り組むべき課題は、「中小企業の成長の底上げ」と「地方創生の実現」です。
中小企業が直面している最大の課題が、「人手不足への対応」です。
 深刻化する人手不足に対して、女性や高齢者など多様な人材の活躍を推進していくことが必要です。中小企業は、女性の活躍推進、柔軟な働き方の導入、高齢者の積極的な雇用など「働き方改革」をいち早く実践していますが、こうした取り組みを加速していかなければなりません。
 そして、人手不足を解決するもう一つの方策は、「生産性向上」です。
 中小企業の生産性は、平均で大企業の二分の一にとどまっていますが、中には大企業の生産性の水準を上回っている中小企業もあり、そうした企業に共通するのは、経営者の成長への意識が高く、ITや設備投資などに積極的であるという点です。ここに生産性向上の鍵があると考えます。
 生産性向上の有力な手段として、ICT(情報通信技術)の導入がありますが、中小企業の取り組みは、まだわずかにとどまっています。経営者自身の気づきを促し、ICTを超えて、デジタル技術やAIの導入、ロボットの活用などにより、工場の生産現場やサービス分野の生産性の向上を図っていくことが必要です。
 人手不足には、その解決を図る過程で、構造改革の中でも最も難しいと言われている「働き方改革」を加速するとともに、若者と女性の活躍する場を拡大し、さらには、IoT、AI、ICT技術導入の大きなインセンティブにもなるポジティブな面もあると言えます。
 中小企業が直面するもう一つの課題は、「後継者の確保」であります。
 商工会議所として、事業承継の支援を積極的に推進するとともに、事業承継の大きなハードルとなっている「事業承継税制の見直し」についても、提言を続けてまいります。
 我が国の付加価値額の約半分は、三大都市圏以外の地方で生み出されており、「地方創生の実現」は、潜在成長率の引き上げと持続的な経済成長に不可欠であります。また、東日本大震災や熊本地震の本格復興、福島再生の早期実現なしに日本経済の再生はあり得ません。
 私は、地方創生の実現に向けて、広域観光振興や農商工連携など、地域の資源や強みを最大限に活用した成長産業を育成し、域外の需要、消費、投資を取り込むことの重要性を繰り返し申しあげてまいりました。さらに、地域で産んだキャッシュは、地域で消費する循環を創出することが重要だと思います。
 観光産業は、担い手の大半が中小企業であるとともに、自動車産業に次ぐ消費規模を持つ一大産業です。
 現在、全ての商工会議所に観光担当者が設置され、ネットワークを活かした観光商品の開発が進んでいます。未だ見落としている地域の自然や伝統文化などを掘り起こして磨き上げ、ストーリーをつけて売り出し、地域を挙げておもてなしをする持続的な取り組みを、一層加速していくことが必要であると思います。
 また、2020年オリンピック・パラリンピックは、我が国の観光、文化、特産品、技術等を世界的にアピールする絶好の機会です。地方と都市の広域連携により、国全体のバランスのとれた成長に繋げていくため、各地域において、国際交流、ビジネスチャンスの拡大、観光振興等に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 農林水産業も長い年月をかけて育てられた貴重な地域資源です。大規模化やコスト削減など、競争力強化に向けた農業改革が進み、また、2020年に輸出額1兆円を目指した政府目標が前倒しで達成される見込みとなるなど、海外を含めさらなる市場の拡大が期待できる成長産業であります。
 商工会議所と農林水産業団体との連携によって付加価値の高い商品を開発し、海外も視野に入れ、広く販路を広げていくことが重要です。
 さらに、地方の中小企業には、高い技術力と競争力を持ち、世界マーケットを狙えるものづくり企業が数多くあり、これも地域の重要な財産です。
 こうした地方創生の取り組みを支え、加速するのが、物流・人流の円滑化を促す社会資本整備であります。とりわけ、地方創生にとって効果が大きい整備新幹線、高規格幹線道路、大型クルーズ船に対応した港湾の整備、コンセッションを活用した空港民営化などは、観光客の増加、設備投資の促進、雇用創出などに大きく寄与するものです。
 民間投資を喚起するストック効果を重視しつつ、商工会議所としても、社会資本整備を強く要望していく必要があると考えております。
 政治的な混乱はあるものの、欧米の経済は堅調と言えます。OPEC・非OPEC諸国の合意により原油の減産が決まり、原油価格も適正な価格に向け上昇し始めています。我が国もまだ大企業の動きではありますが、景況感が好転しつつあります。これは私の仮説ですが、我が国は、2~3年間の時間的な猶予を得られ、時間と腰を据えた取り組みが必要なサプライサイド政策に大きく舵を切るチャンスを与えられたと言えると思います。
 私達は、短期的な動きに一喜一憂することなく、与えられた猶予の大切さを認識した上で、構造改革とイノベーションを着実に深化させていかなければなりません。成長のトレンドを変えるため、これから2~3年が、我が国にとって勝負の年となります。
 日本商工会議所としても、515商工会議所、青年部、女性会、海外の商工会議所等との緊密な連携の下、企業、地域、そして、日本経済の持続的な成長の実現に向け、全力を尽くしてまいります。

因島地区新年互礼会

 1月6日(金)、18時からポートピアはぶにおいて、2017因島地区新年互礼会を開催しました。出席者は官公署・諸団体から50名、会議所議員・参与から58名、会員企業・事務局から16名の合計124名が出席し、新年の門出を祝いました。最初に世話人挨拶として、村上祐司会頭から村上海賊の日本遺産認定後の取り組み、4年後の岩城橋開通に対しての土生港や土生商店街の課題、2020年東京オリンピックの恩恵をこの地域でも受けるために全ての課題をスタートさせる年として抱負が語られました。続いて、来賓を代表して小島敏文衆議院議員と冨永嘉文尾道副市長から祝辞を頂戴しました。その後アトラクションとして岡野映さんと峯松里香さんによるフルートとピアノの演奏が行われ、松浦幸男広島県議会議員の乾杯の音頭で祝宴に入りました。最後に尾道市議会髙本訓司議長の締めの言葉で互礼会は終了しました。

インフォメーション

広島県最低賃金・広島県特定(産業別)最低賃金が改正されました。

広島県最低賃金額の改定(時給額793円 平成28年10月1日から発効)に引き続き、広島県特定(産業別)最低賃金額が改定されました。改定されたのは製鉄業等8種類の特定最低賃金で平成28年12月31日から発効します。
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適用される業種の詳細等につきましては
広島労働局賃金室(☎082‐221‐9244)または尾道労働基準監督署(☎0848‐22‐4158)
へお問い合わせください。

尾道税務署から確定申告のお知らせ

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会員インタビュー63

優れた技術を継承し、限りない社業の発展を

㈱岡本製作所
岡本 哲博 氏

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仕事内容について教えてください

 昭和39年に先々代社長が因島鉄工業団地組合員として操業を開始し、船の骨格となる船体ブロックを製造しています。タンカー、コンテナ船などの船舶はもとより、LPG船、LNG船などの特殊な船舶用船体ブロックも多数建造実績があり、弊社製の船体ブロックは、精度の高さで取引先の皆様から高い信頼を頂いています。従業員は20~30代の若い社員も多く、外国人実習生を含めて約70名です。
 製品サイズが巨大なため、ほんの微細なズレも最終的には大きなズレにつながることから、常に高いレベルが要求される船体ブロック製造の現場はやりがいのある仕事です。難易度が高いとされるLPG船、LNG船用の船体ブロックを製造できることは、高く優れた製造技術を保有することを意味します。この熟練技術を次世代へ確実に継承していくことで、常に新しいことに挑戦し続けることができる、これが弊社の大きな強みです。

このお仕事で心掛けていることは?

 納期を守ること。繫忙期であってもいかに効率的に作業分担して納期に間に合わせるかを考え、予定を組みます。社員一人ひとりが協力して一つの仕事をやり遂げるチームワークが大事です。昼休憩や時間がある時には社員の意見を聞いてコミュニケーションをとり、和気あいあいとした人間関係をつくるように心掛けています。いいときも悪いときもある、そこを前向きにバランスをとりながら楽しく仕事が出来る様にしています。
 私は入社試験の面接で必ず、この仕事は困難な仕事を成し遂げた時の充実感があるけれど、危険も伴うし炎暑極寒の悪条件で辛い時もある、それでもこの仕事がしたいか、と確認します。悪い条件を先に言っておくことで、それでもこの会社で働きたいと思ってくれた意欲ある人材は会社の財産にもなります。

ご自身について教えて下さい

 重井小・中学校を卒業後、因島を出て呉高専で学びました。高専を卒業してからは建材メーカーの設計の仕事で3年間京都に勤務していました。その後、製造業の仕事を経験し、25歳の時に帰省して当社の従業員として働きはじめました。父が65歳で退任した後、平成21年10月より代表取締役に就任し8年目になります。

趣味など…

 魚釣りとマリンスポーツです。社内イベントでもジェットスキーやウェイクボード、釣り大会、バーベキュー大会を年数回行っています。こういった行事も人間関係を円滑にする大事なツールです。遊ぶときはとことん楽しんで、仕事は真面目に取り組むよう線引きはしっかりとしていきます。

因島について…

 波が穏やかな瀬戸内海に囲まれ、天災も少ないここ因島は造船業に適した恵まれた環境です。造船の島として知られる因島ですが、少子高齢化及び人口減少が懸念されます。男性も女性も活躍できる雇用の場や、ここにしかないものをつくることが必要だと思います。

今後の抱負は?

 今の状況に満足せず、会社の品質や技術の向上などの目標を掲げ、実現させていく会社でありたいです。
 今年は因島鉄工業団地協同組合ではじめて造船鉄工祭を開催しました。鉄工団地内を一般開放してイベントを実施するにあたり、安全面や集客面、イベント内容においてさまざまなご意見も出ましたが、やってみないと何も始まらないんです。何もしないことのほうが私は危険だと考えます。イベントを無事に終えて、お客様はもちろん社員からもやってよかったという声が聞けました。一般の方にモノづくりの現場を間近で見てもらい、社員のモチベーション向上にも繋がったと思います。何でもやってみないと、何も生まれないし始まらない。昨日より今日、今日より明日と、日々成長していくよう努力し、常に新しいことにチャレンジしていきたいです。

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会員の動き

ご入会ありがとうございました。

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因島データ情報

■因島金融データ

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■雇用状況

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■因島 人口・世帯数

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