因島商工会議所 : 所報INNOSHIMA : 2012年4月号

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所報INNOSHIMA 2012.4月号

平成24年4月号

視察レポート

道の駅「笠岡ベイファーム」を視察



120202_16197E03.jpg 従来より因島内で関心がある「道の駅」構想を実現するには先人に学べということで、笠岡商工会議所の協力を得て、国道2号沿線(大阪~北九州市)で初、そして岡山県内では16カ所目となる道の駅を視察しました。
 快晴の2月2日(木)、参加者9名は自家用車の乗り合いで、約70分で笠岡商工会議所に着き、そこから約10分で笠岡湾干拓地内の道の駅「笠岡ベイファーム」へ到着しました。
 笠岡ベイファームは平成23年8月4日にオープン。国が休憩棟(鉄骨平屋78平方メートル)、トイレ、駐車場(43台)を、市は農水産物直売所やレストランが入る地域振興施設(木造平屋636平方メートル)をPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式で建設しました。事業費は笠岡市と国合わせて計6億7千万円。施設は地元企業4社で作る㈱エー・アンド・エー(特定目的会社)が運営しています。来場者層は岡山、倉敷市が40%で福山市が40%、地元の人は20%という状況です。来場者数と売り上げは平成23年8月~12月の合計で336,609人、売り上げは229,395千円です。オープン当初は約14万人の来場がありましたが12月頃には4万9千人となり売り上げも減少してきました。売り上げの構成で生産物が20%で農作物は約9%ぐらいです。主には食料加工品が多いようです。
 道の駅をオープンしただけでは集客力はないという問題は計画当初から想定されていて、近くにはカブトガニ博物館があり、道の駅構内の食事提供コーナーもバイキング方式ですが客席数を少なくして待ち時間ができるようし、その待ち時間で売店を見てもらうという工夫がされています。それでも集客力は弱いということで道の駅に出品する者で構成される出荷者協議会では道の駅周辺の地形を利用して花を植えることにしました。その花を利用して、催しを開催し集客力を上げるよう努力しています。
 因島内での、現状の問題としてはしまなみ海道を車で利用する観光客は今治まで行く場合、観光資源、情報が多いスポットへは行くものの、因島地域へはあまり入ってこない。その理由として、情報発信の弱さや観光資源の知名度の低さ、島全体の特産品を集約でき、かつ公衆衛生設備のある道の駅が設置されていないことが1つの原因と考えられ、設置についての各種調査をして、それをもとに行政への要望・提言をしていこうと思っています。
 調査内容については通行量並びに観光客ニーズ、土地調査、意識調査、建物(道の駅)の付属設備の要望、設置場所周辺に希望する施設、取扱い希望商品又はサービスなどを対象としています。また調査結果は農商工連携による地域資源の掘り起こし、地域ブランド開発の方向付の指針としての資料になり、地域産業の活性化と観光客の満足度をあげることに繋げて行きたいと思います。また、専門家を含めて組織するしまなみ海道地域活性化推進委員会(仮称)を設置し、拠点場所・構成・運営方法、情報発信の仕方、地域資源の活路、要望等について、検討することにしています。 

 (事務局 窪田)

地域ナビ

田熊本通り

備南酒造有限会社

創業100周年新酒まつり


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三月十七日の新酒まつりの様子。樽の新酒を枡についで、飲み放題。今年のお酒はキリリッとした味です。

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(写真:左)利き酒コンテスト(写真:右)玉串奉納



 大正2年から伝統の酒造りが受け継がれ、今では因島唯一の酒蔵となった㈲備南酒造が今年創業100周年を迎えます。100周年記念イベントの東北関東大震災チャリティコンサートでは、チケット販売利益で東北の小学校へ太鼓を寄贈されたそうです。
 毎年3月に酒蔵を一般開放して開催している新酒祭にむけ、いいお酒になるようにと願いをこめて毎日早朝の4時から作業をします。新酒祭では搾り立てのお酒が味わえ、今年は広島から津軽三味線の演奏、因島の田熊神代神楽保存会の雅楽や矢華会の日本舞踊で賑わいました。
P6map2.jpg 昔から女人禁制とされていた酒蔵で、3代目の藤本久子さんは全国初の女性蔵元。お酒がおいしいのは私の腕がいいわけでもなく『神戸川の水』がいいからと語ります。実際に、どこに行っても治らなかった皮膚病がこの水で治ったと言われています。
 機械を使わず、昔ながらの手法『槽搾り』。檜造りの木枠の中に袋詰めしたもろみを重ねていくとゆっくりと搾ります。

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(写真:左)仕込み庫の熟成タンクの管理に気遣う。
(写真:右)槽口(ふなくち): 布袋詰めしてヒノ木造りの槽(ふね)に積み重ねられ新酒になって流れ落ちる。

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備南酒造有限会社 社長 藤本久子さん