いろいろ因島情報
第13回 特集 つれしおの石ぶみ Part.2
因島観光協会だより
第12回でつれしおの石ぶみの文人19人の内5人の詩歌を紹介しましたが、今回も前回ご紹介できなかった詩歌の方のご紹介です。
高田 好胤
心
ひろく ひろく
もっと ひろく
僧侶で、この書は薬師寺金堂再建の歓進に因島を訪れた際、色紙に書きとめられ若い世代に贈られる。
司馬 遼太郎
一眼あり
海上王国
小説家で、知己のいる因島へは数次訪れている。この書「竜馬がゆく」を執筆中の頃のもの。
若山 牧水
岩角より
のぞくかなしき
海の隅に
あはれ舟人
ちさき帆をあぐ
歌人で、大正初期「みなかみ」執筆の頃、父の死で失意し旅に出る。岩城島に逗留中、因島へ訪れての作。
高見 順
天
どの辺からが天であるか
鳶の飛んでいる辺は天であるか
人の眼から隠れて
ここに
静かに熟れて行く果実がある
おお その果実の周囲は
すでに天に属している
小説家で詩『天』は、「愛情列島」執筆のために取材に因島を訪れた際、天につながる此の急坂で創作する。
松浦 英文
夢
醒後空々
常随説法を各地を巡り教えて広めた高層。英文師は住職世代に入り、師父を追い長福寺(中庄)の住職5年。
鴻 雪瓜
三峰笑窓入
僧侶で明治の高官。因島中庄町に生まれ、成願寺で出家した。この書は生まれ故郷を賛歌した。
河東 碧梧桐
酔うて もたれて
正月の屏風
俳人で、全国を遊歴しその足跡は因島にも及ぶ。即興句の一つか。
因島観光協会だより 所報INNOSHIMA 2014年2月号