因島商工会議所 : 会員紹介 : トロムソ

　籾がらを原料とする固形燃料「モミガライト」を製造する装置「グラインドミル」の設計・製造・販売を取扱う(株)トロムソが、平成27年3月経済産業省より「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選定されました。一昨年、国際協力機構JICAと契約を締結した「もみ殻を原料とした固形燃料製造装置の普及・実証事業」でタンザニア国内でのグラインドミル普及を計画し、森林保護や地球温暖化抑制に貢献することが期待されています。

■「がんばる中小企業・小規模事業者300社」とは

　国内の事業者の99％を占める中小企業・小規模事業者は、地域経済と雇用を支えていることに加え、我が国の国際競争力と経済活力の源泉です。そこで、今般、経済産業省では革新的な製品開発やサービス創造、地域貢献・地域経済の活性化等、様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者の取組事例を「がんばる中小企業・小規模事業者300社」として選定することとしました。これを広く周知することで、選定された事業者等の社会的認知度や労働者等のモチベーション等の向上を図ることに加え、後進の育成も目的としています。

■海外にて新規事業創出に貢献

　調査対象国であるタンザニアへ渡航し、実際にグラインドミルを持ち込んでデモンストレーションを実施して好感触を得ましたが、採算性を考慮しながら活用・普及を促すには工夫と分析が必要です。現地に合わせた仕様改良やコストダウンや現地技術者の育成、グラインドミルを通して新たなビジネスを紹介し、雇用創出を目指しています。

■備蓄燃料「いっとかん」の提案

　モミガライトは化石燃料と違ってSOｘ、NOｘを排出せず、暖を取るための高い炎を得ることができ、炎が落ちると、煮炊きが出来る炭火状態が続きます。モミガライト8㎏と着火剤、火バサミ、鉄筋棒を納めた「いっとかん」を市町村自治体の指定する災害時避難場所やマンション自治会で管理する地下倉庫、病院等、まず一番先に一般家庭に置いていただくことをお勧めしています。

■今後の展開

　JICAによる中小企業海外展開支援事業を通じて、アフリカ以外でも東南アジア諸国やリベリア等、もみ殻が多く発生する国から複数の引き合いが来ています。今回の受賞が地元中小企業・小規模事業者の模範となり、次世代を担う若い経営者が志を高く持って革新的な製品・サービス創造や地域活性化への取組が加速化されることを期待します。