因島商工会議所 : 会員紹介 : 柏原工業

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企業最前線

因島の未来創造レポート

㈲柏原工業 代表取締役 柏原信彦

近代、企業城下町として栄えた4万2千人いた因島の人口は、現在2万5千人。
世界の変化、時代の変化がこの島を寒村に変えようとしています。
 今わたしたちは、現実を見つめ、真剣に考え、行動しなければアウトです。

 経済産業省が2030年時点に於ける経済規模変動予測で、全国269都市圏の内、旧因島市が地域経済規模縮小の大きい地域第3位であることを発表しました。少子高齢化の進行により、2030年には因島の人口は1万8千人まで落ち込む予測です。
 因島の造船が世界一だった時代、人口密度が日本で第2位となる4万2千人もいましたが、現在は2万5千人にまで減少しました。日立造船が撤退し、『島が沈む』と言われた26年前から、新たな行動をしなければ人口がここまで減少する予測はできていました。今回の造船不況でそれを把握し、生き残るためには「未来を創造する」視点が必要です。

■世界の造船業界の推移

01.jpg 造船業界は、世界の物流の増減によりおおきな影響を受ける業界です。景気、人口、政変、為替等、世の中で起きる全てが要因となります。2012年6月末、3年前は1036隻あった日本の手持ち工事量は650隻に減少、そして2014年には6月末現在132隻の受注残しかありません。
 そのバックデータは、世界の新造船竣工量の推移でわかります。1978年、国が日本の造船業は不況だと指定し、船台を減らすよう通達があり、1985年に因島の日立造船が撤退を発表しました。1990年、東西ドイツが統合されて物流が活発になりましたが、日本のマーケットはバブル崩壊後の少子高齢化により縮小していきました。

■BOP(ボトムオブピラミッド)

02.jpg 年間所得を3層に分けると頂点の1・75億人のみが一人当たり年間所得2万ドル、日本はここに入っています。世界人口の約72%は年収1250ドルですが、約40億人を掛けると5兆ドルのマーケット(新興国ボリュームゾーン)になります。開発途上地域に多く存在する低所得層のことを指しており、近年その層を新しい市場として捉え始めています。
 世界の最先端レベルの技術力を保有しながら、日本以外では全く普及していないガラパゴス化した携帯電話やパソコンを見ればわかるように、日本の中小企業が世界のスタンダードになることは難しいのです。海外を見ればわかりますが、価格が最大のターゲットです。日本の高品質商品は、BOP上層部のみでしか買えません。日本で作ったものは3年たっても壊れませんが高価格です。ボリュームゾーンでは1年で壊れるものがいくらでも売れるのです。

■㈱PPS・ベトナム設計事務所設立/外国人採用

 そのような大きな変化の中、弊社は十数年前から、デジタルものづくりを模索してきました。そして、7年前にベトナムに事業所を、同時に別会社㈱PPSを設立しました。
 デジタルものづくりとは簡単にいえば、設計情報をデジタル情報でやり取りするということです。以前は、図面から製品を作っていたので、そこには図面を読み取る知識やそれを製品として作り出す技術が必要とされました。デジタル情報になると、CADやCAMによって簡単に製造が出来るようになります。また、インターネットにより世界中どこでも人材を求め、製造も出来るのです。現在は、製造は日本だけですが、データーはベトナムから送られてきます。
 ベトナムは、平均月収1万2千円の国です。非常に優秀な人材がたくさんいます。弊社には東大卒はおりませんが、日本にいない人材は海外に求めました。日本語検定も2級を取得している人材も2名います。SKYPEで顔を見ながら仕事をすることもできます。
 デジタル製品はインターネット通信で税関を通さなくてよいため税金はかかりません。デジタル材料の送付、デジタル製品の受取に配送時間もかかりません。人件費も現地価格で時給100円程度です。弊社はインターネットで時空を上手く使うのがビジネスモデルの基本です。

■未来へ向けての挑戦

03.jpg 数年前より、レーザースキャニングという新しいビジネスモデルを立ち上げました。赤外線レーザーを発射し反射して帰ってくる光のデーターを採取し、パソコンで処理し対象物を3次元化する技術です。また、デジカメのデーターを3次元化するシステムも新たに導入しました。これにより、プラント、建物、船舶、地形、等の3次元化が可能になります。
 先般、保険会社より、解体前に火災建物のデジタル保存のプレゼンを依頼され、幾つかの提案をさせていただきました。


img1.png 尾道市重要文化財に指定されている、亀甲山田熊八幡宮修理のための3次元データー化の相談を関係者から頂き、部分的に計測をし3次元モデルを作りました。文化財保護にこの技術がうまく生かせれば、尾道発日本一の文化財保護システムが出来ます。


img2.png 今、外航船に対し、バラスト水の規制が始まろうとしています。5年間で2兆円といわれるマーケットがあります。現在、地元の㈱三和ドックもこの事業に世界トップクラスの技術力で準備を進められています。弊社も3Dモデル化、部品製造に於いて微力ながら協力をさせていただいております。製鉄所にもこの技術を提案し、補修部品の受注に向け営業中です。また、プラントの管理システムへの応用も重要な課題です。因の島ガス㈱のLNGプラントを対象に、研究を進めています。
 マレーシア、ブルネイから高速道路の管理、津波など防災ハザードマップの作成など、海外からも幾つかの打診を受けています。

■今後の展開

 因島が日本の造船業の中心だった時代も確かにありましたが、世の流れには逆らえません。ビジネスをする人間は世の流れの先を行かないといけません。理論だけではなく目的意識を持って海外を見に行き、情報収集するべきです。
 今後経営者としてやるべきことは、自社の関連会社へ外注提供できる仕事を自ら作ることです。極力コストを下げて海外で優秀な人材を雇い、次の産業はどうするか真剣に考えています。
P7041597.JPG 困った時は原点に帰って因島のDNAは何かを考えます。因島のDNAは村上水軍と気候風土です。村上水軍がいたから海運業・造船が栄えました。日照時間の長い塩田の跡地にはメガソーラー設置が最適です。昔は福山からわざわざ船に乗って人が因島に遊びに来るほど因島は栄えていましたが、今では逆になっています。因島は歴史があるところで小説にもよく登場します。歴史を知らないと未来は築けません。
 同じ方向を歩いてくれるなら国籍は問いません。当社では今後もアジアを中心に海外事務所を数箇所設立し、現地での優秀な人材を増やし事業を拡大していく予定です。

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㈲柏原工業

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